日本めだか
学名:Oryzias latipes
昔から日本にいる、おなじみのめだかは、北海道を除く全国に分布している身近な魚で、ヒメダカ等は、江戸時代から観賞魚として飼われていたとされています。現在では、様々な改良メダカが生まれて来ており、その種類は、数え切れない程、増えております。各販売店で、オリジナルのネーミングで販売されている事もあって、同じ種類でも違う名前であったりして、混乱を招いている事もあります。
原種の日本メダカと言うと、以前では、水田や水路などに沢山生息していたとの事ですが、今は、各地の開発や、汚染、帰化生物の影響で絶滅危惧種に指定されており、存在が危やぶられております。私の住んでいる北海道には、元々メダカは住んでいなかったので、メダカが水田などで泳いでいる姿は想像でしかないのですが、どうにか、メダカの住める環境に戻してあげたいですね。
以下、Wikipedia引用
メダカ(目高、Oryzias latipes)またはニホンメダカは、ダツ目 メダカ科(アドリアニクチス科)に属する魚。体長 4 cm 程の淡水魚。学名の Oryzias latipes は『稲の周りにいる足(ヒレ)の広い』という意味である[1]。
目が大きく、頭部の上端から飛び出していることが、名前の由来になっている。飼育が簡単なため、キンギョ同様、観賞魚として古くから日本人に親しまれてきたほか、様々な目的の科学研究用に用いられている。西欧世界には、江戸時代に来日したシーボルトによって、1823年に初めて報告された。日本に棲息する最も小さな淡水魚である。
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体長は4cmに満たない小型の魚。側線はない。背びれはかなり後ろにあり、腹びれの前端より後ろ。腹びれは前後に長い。
流れのゆるい小川や水路などに生息し、動物プランクトンなどを食べる。また、1回の産卵で、約10個の卵を産む。通常、春から夏にかけて産卵し、孵った仔魚は夏、秋の間をかけて成長し、次の年に産卵する。早い時期に孵化したもののなかには、その年の秋に産卵をする個体もある。
蚊の幼虫ボウフラを好んで食するため、ボウフラを退治する益魚としても知られている。
また、耐塩性が非常に高く、海水と同程度の塩水でも生存できる[2]。
日本、台湾、朝鮮半島、中国、ベトナム、スリランカなどに分布する。この他、イラン、トルクメニスタンなどにも移入されている。北アメリカにも移入された地域がある。
日本では、本州から琉球列島まで、北海道を除く各地に生息していたが、現在では北海道にも移植されている。
メダカの体色は、野生型では焦げ茶色がかった灰色だが、突然変異型では体表の、黒色、黄色、白色、虹色の4種類の色素胞の有無あるいは反応性の違いによって様々な色調を示し、カラーメダカと呼ばれる。突然変異型には、
などがある。 これらと区別するため、野生型のメダカを通称クロメダカとも呼ぶ。
後述する「光るメダカ」はこれらのメダカの受精卵のDNAの一部を、発光クラゲから取り出した蛍光起因を持つDNAと組み換えて作り出す遺伝子組み換え生物である。人為的に作られた生物のため、野生には存在しない。
一般に、メダカの寿命は1 - 2年と言われているが、人工的な飼育下ではその限りではない。 長いものでは、4 - 5年生きると言われている。[要出典]
かつては、童謡「めだかの学校」にも歌われたように、小川にはごく普通にメダカの群れが見られた。
しかし、様々な要因により野生のメダカが各地で減少している。1999年2月には、環境庁(当時)がレッドリストを発表し、その中の絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)(絶滅の危険が増大している種)にメダカを記載した。これにより、メダカは2003年5月に環境省が発表したレッドデータブックに記載され、絶滅危惧種に指定された。
これは、種としてのメダカが日本から絶滅することが危惧されたというよりも、地域ごとに遺伝的に大きな多様性を持った地域個体群の、局所的な絶滅の進行が危惧されたことによる。 メダカの生息水域ごとの遺伝的な違いは詳しく研究されており、遺伝的に近いグループごとにまとめると、北日本集団と南日本集団に大別され、これらは生息している水域ごとに約10種のグループに細分されている。さらに、これらの水域ごとの遺伝的に異なる個体群には、それぞれ相互に異なる環境適応の構造が検出されている。
減少の主な原因は、農薬の使用や生活排水などによる環境の悪化、護岸工事や水路の整備などによる流れの緩やかな小川の減少、繁殖力の強い外来種であるカダヤシとの競合に負けたことなどが挙げられている。また、メダカは水田のような一時的水域に侵入して繁殖する性質が強く、近年の農地改良に伴う用排分離により、用排水路から繁殖時に水田内に進入することが困難になっていることが特に致命的となっており、メダカの繁殖力を著しく削いでいる。そして、この事がカダヤシとの競合をさらに激しくしてメダカを窮地に追いやっていることも指摘されている。
皮肉なことに、絶滅危惧種に指定されたことは、メダカの遺伝的多様性を減少させ、遺伝子汚染を起こさせる引き金の一つとなっている。 絶滅危惧を指摘されたことで、にわかに保護熱が高まった結果、遺伝的な違いなどへの配慮をせずにメダカ池やビオトープ池を作り、誤って本来その地域に放流すべきでない他の地域産のメダカや、観賞魚として品種改良を施された飼育品種であるヒメダカやシロメダカを放流した例が多数ある。ひどいところでは、誤ってカダヤシをメダカのいる池に放流してしまった例もある。これらは、明らかに本来の遺伝的集団の破壊行為である。そのため、誤った知識に基づいてメダカを放流するのは、喜ばしいこととは言えない。
また、近年では発光遺伝子を持った「光るメダカ」などが台湾などから輸入され一部の業者で販売されているが、これは明らかな人工操作であり、これらが放流されてしまうことでの遺伝子汚染が危惧されており、現在販売を取り締まっている。
2007年8月のレッドリスト見直しにより、絶滅危惧II類(VU)の指定が「メダカ北日本集団(Oryzias latipes subsp.)」と「メダカ南日本集団(Oryzias latipes latipes)」の2つに分けて記載された。
一般にほとんど実用的な利害がない。一応は観賞用につかわれることはある。 ただし地域によってはより実用的に利用される場合がある。
メダカをめぐる生物学は、明治時代以来、会田龍雄、山本時男、江上信雄などをはじめとする、日本の生物学者達の研究によって発展してきた。
ニホンメダカは、生物学でモデル生物として用いられており、海外でも"medaka"という語が使われるほどで、日本の生物学が主導力をもって世界に貢献した数少ない[要出典]例である。モデル生物として優れている点を下に挙げる。
また、体軸や器官形成などの発生研究の他、脊椎動物では2番目、哺乳類以外では初めてとなる性決定遺伝子 DMY が発見されたことから、哺乳類以外の脊椎動物での性決定機構を研究する上で注目されている。
脊椎動物の発生のモデル生物として、魚類では国際的にはゼブラフィッシュが良く用いられているが、日本国内ではその歴史的背景からメダカを用いる研究者も多い。
現在、ゼブラフィッシュではHaffterら(1996年)やDrieverら(1996年)によって大規模スクリーニングが成功しており、メダカでも小規模では石川裕二らや、大規模では近藤寿人、古谷・清木誠ら(2004年)によって多くの突然変異体が見つけ出されている。
新潟県見附市や阿賀町などでは佃煮にして冬場のタンパク質源として保存食にする習慣があり[3]、新潟県中越地方ではうるめとよばれている。また長岡市付近では、味噌汁の具にも使われていた。近年では養殖も行われているが、これはメダカではなく、養殖が容易なヒメダカである[4]。
メダカは日本各地に広く分布し、身近にあって親しまれた。かといって人間の役に立つというわけではなく、流通もしないため、旧来から全国での名前の統一はされてこなかった。これらは、各地で独立の方言名を発生させるには極めて有効な条件であり、メダカの方言名は世界中の魚類で最も数が多いとされる[5]。 辛川十歩は4680の方言名を日本全国から調査収集した。短いものではメ・ウキから始まり、長いものではオキンチョコバイ・カンカンビイチャコなどというものまで記録されている。 一方、理科教育や図鑑の流通によって、そのような方言名が生き延びる可能性も少なくなっている。
愛知県ではメダカを生きたまま飲み込むと婦人病に効くとの伝承があった。その他、地域によっては泳ぎがうまくなる、目がよくなるなどの伝承もあったらしい[6]。